『二重らせん』を読み返す

「はてな」で書いていたブログがなぜか限定公開になり、困っていたところ、ここの管理人さん→研究室某パイセン経由でこちらに記事の一部を置かせてもらうことになりました。
そんなおかしなこと書いた覚えないんだけどなー。
どっちかといえば、コンビニ食品に関するくだらない院生ネタが多かったくらいなんだが。 よくわかりませんが、ちょっとずつ移行していきます。


 帰省する学生もいるので、GWは原則研究室は休みだが、割合体育会系の雰囲気を漂わせている当方所属研究室、しっかり開いてます。いったん始めた実験を止められないという事情もある。 私は、今、比較的、デューティはないので、今日は自宅でのんびり。

ふと、『二重らせん』を読み返す。


生物系ではないが、学部時代によく読んだなー。
当時は、どうやったら、科学的な成果は出せるのか、凄く興味があったのだ。 今、読み返しても、得られるものは多い。特に、クリックの主役っぷりがよくわかる。この本でいうところの二重らせん、つまりDNAであるが、この構造決定には、難所がいくつかある。 

1.まず、テーマをDNAに絞り込むセンス(遺伝情報はタンパクが担っているという考え方もあった)

2.具体的な解析手法としてのX線回折の深い理解と結果の合理的な解釈(たびたび話題になるが、クリックは回折実験そのものはしていない。ロザランドフランクリンの結果をさっと見ただけ)

3.得られたデータから、モデルを組み立てるとき、実際に分子模型を組み立てて試行錯誤するというわかりやすいアプローチ

他にもあるだろうが、クリックは数々の難所をこんな感じで解決していった。

凄くセンスがいいと思う。研究だから一直線に解決というわけにはいかない、でも、主要なポイントでクリックは全く間違ってないのだ。

2に関して、気の強いお姉様リサーチャーが「ロザランドの業績もノーベル賞に値する」という鼻息フンフンの主張をしているようだが、私は、違うと思う。 実験して手を動かすこととそれを正しく解釈するというのは、別の次元の話だからだ。 彼の上司はそう考えていたようだが、彼女はテクニシャン的な働きは得意でも、それをある種の結果に結びつけるのができていなかった。

サイエンスをやっていく上で業績を上げるためには、問題点を見つけ、それに対して正しくアプローチしていく、というのが大事だということを凄くよく教えてくれる。

なお、生物系の人からは、クリックは評判悪いようだが、なんか違うと思う。DNAの構造を決定し、その生物学的意味を正しく解釈した人をなんでそう悪く捉えるのかよくわからないが、おそらく妬みに近い感情 (^^; ではないかと思う。


 AkibaChanReiwa

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