ハゲタカ オープンジャーナルという悪意しか感じない呼称


twitter などの SNS でちょっぴり話題になった感想文なみの「論文」。
www.jstage.jst.go.jp
当研究室では、これを「論文」とみなしていない。

・まず、少なくとも継続的な発行が維持されているジャーナルを、「インド資本」だとか「査読の質が悪い」などという特徴だけで明確な定義もしないで「ハゲタカ」という悪意のあるタームで呼称し分析の対象として使ってしまうのは、論理的な文章とは言えない。単なるヘイト。

・分析が甘い。著者のいう「ハゲタカ」に掲載されたペーパーの4割が他のジャーナルに引用されているというのは、統計的な事実なんだろう。が、ここからの分析がおかしい。引用されたジャーナルの IF などの指標も調べないと、実は、その4割のうちのいくつかは、高い IF を持っているかもしれない

ということで、この「論文」自体がとても実証的な研究とは言えないシロモノだからだ。
特に前半の主張なんか、批判された側の編集者が読んだらガチ切れして裁判でも起こされても文句言えないと思う。少なくとも「ハゲタカ」というネーミングは相当まずい。
なお、私は、速報性を重視してとりあえずオープンアクセスなジャーナルに掲載させ、その後、それなりに由緒あるジャーナルに引用されて格が上がった例を何件か知っている。

私らの主戦場は、arXiv →英文査読誌 という流れが多いが、arXiv もこの著者からみたら「ハゲタカ」に写ってしまいそうだな。

Nature や Cell だとかが、いまだに「ハゲタカ」ではない真っ当なジャーナルという認識なんだろうか?
いや、あれ、小保方-笹井の STAP でほぼ信用なくしたではないか。
今どき、この認識はないわ。

経歴調べてみたら、著者の佐藤翔氏は図書館情報学博士。おそらくハードサイエンスの研究を実際にしたこともなければ、その環境も把握していないだろう。
なんで、この経歴で純粋科学に口を突っ込むのかわからない。


AkibaChanReiwa




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