DICOM Viewer の準備

研究室で生体観察用の測定機器も取り扱っているのだが、これまでそこから吐き出す画像データは ImageJ などでごまかしてきた。
が、けっこうこの分野の研究が進み、医療機器への応用も視野に入ってきた。
ちょっと頑張ってダイコム化を試みることにした。
ダイコムに関しては後述する HorliX 配布サイトの『DICOM とは?』をお読みください。
新規の装置であっても、ダイコム化を意識しておいた方が良い理由が書かれています。


単に画像を見るだけなら、スクラッチでプログラムをおこしてもいいんですが、いきなり3次元表示、4次元(3D+時間)表示はきつい (^^;)
標準的な C++ で書かれているフリーのものがベストだが、どうも適当なプロジェクトが見つからない。
OSX 限定になってしまうが、HorliX というのがよさそう。
(→これでなんか言ってた人がいたようだが、生の画素値を読み込んで DICOM ファイルにしてくれる機能は、開発者の猪股先生自らが既に実装してくれている。『RAW ファイルを読み込む -ECT のシミュレーション結果を表示-』。しかも、コードにまるっきり手を入れずに3D構築もできるし、LAN を介して他のマシンに転送までできてしまう。これができない他のビューアをなんでわざわざ使う必要あるの??? 強いていうなら4D表示がイマイチだが、それは使う人が手を入れればいいことでしょう。院生だって楽はしたいのだ)

海外では Horos というのが有名のようだが、ソース見た限りではライブラリの構成がちょっと不自然(→これに関してもあれこれ言ってた人がいるようなんだけど、これやっぱりそうですよね。現行の RC4.0 はビルドシステム凝っている感じなんだけど、本体とライブラリの結合が変に複雑すぎて、3D表示などうまくいってませんよね。実際 Catalina 対応版は正式にはリリースできてませんね。
別にこれ Horos プロジェクト自体を批判しているわけではなくて、自前で3Dの画像ライブラリ持っていて使いたいという人にとってはかえってやりにくくなる場合があるってことを言いたい)
以前に OpenJPG, VTK などの画像処理関係のライブラリは触ったことがあるので、こちらの構成の方が今回の場合は、適当。(特に VTK & ITK 兄弟?は独特の設計になっているが C++ で書かれているので、自分の環境に合わせて適宜改変して使っているユーザーが多いと思う)
 なお、私らは、研究時間が比較的楽に取れる&カスタマイズ目的なので勉強も兼ねてビルド試みますが、普通に使う分には購入した方が早いでしょう。

ちょいとばかり頑張りますか。

(追記)
! 調べていて HorosJP というのも見つけましたが、Horos と HorosJP というのは別物で、HorosJP はちょっとヤバい感じのプロジェクトのようです。→ 関連記事参照していたんですが、削除されているようです。えと、たぶん、そこで言及されていたメールはこれかと ↓ 。





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Horos プロジェクトからの注意喚起

Purview という会社が Horos project のスポンサーのようです。

 (補足)オープンソースと知財権に詳しい先生に聞いてみたら
「これは、たぶん、ダウンロードしてはいけないやつ。一般にソースコードのみをコンパイルしてバイナリのみで再配布するのは(L)GPL的には問題ないが、実際のプロジェクトはプロジェクトのロゴなどを商標登録している場合が多い。この場合は、ロゴなどに関する部分は、ライセンス云々とは別に関連する知財権の法律が適用されるので(=独占権が成立している)、勝手に再配布するのは違法にあたる可能性が高い。知らなかったからと言って、迂闊にダウンロードすると違法ダウンロードになってしまうかもしれない」
だそうです。なるほど。
あと、これは確認は取ってないが日本語リソースは商用版の OsiriX の流用だそうです。
本当にそうだとしたら、すぐに使用をやめるべきでしょう。

(追記)ところで、horos はその後、ほぼ開発が終わったようだ。
再開するにしても、相当のコストが必要でしょう。
ついでに言っておくと、私が、このプロジェクトを純然たるオープンソースとみなしていない理由は、外注先?と思われる会社の名前がしれっと表示されていたのを発見したから。
また、一時期問題になった文字化けのバグの解消方法はかなり姑息的だったのだが(後述します)、その割に「これで解決!」と過剰にアピールするような姿勢。
いやあ、これ、マック内部のフォントを画像表示ライブラリに強引に引き渡して無理くりで表示させていただけだよね。
しかも、フォント情報を取得するときに deprecated になっていた API を使ったものだから、その後、この API が廃止されて以降は、ビルド自体ができなくなってしまった。
先に「再開するにしても、相当のコストが必要でしょう」と書いたのは、こういった事情があるから。
場当たり的に解決(というか先延ばし)していたつけを回収するのは、何もしないよりよほど手間がかかってしまう。
何がしたかったんだろうと思う。
また、(当然だと思うが)HorosJP もアプリの配布をやめているようだ。
状況から察するに horos のビルド済みアプリに OsiriX MD の日本語リソースを組み込んで配布していたのだろう。色んな意味で違法だと思います。

(追記)しかし Horos 絡みの業者は本当にモラルがないですね。
下のアカウントはおそらくロックか凍結されたのではないでしょうか?


アイコンは OsiriX に激似だし、Horos は他国で商標が成立しているにもかかわらず(おそらく)許可取らずに使用。
これで本人たちは正義振りかざしてる感じなのですよ。
ヤバいです。

(追記)いろいろ書いてましたが、大学の研究室レベルで必要なのは、
「ボリュームデータ(の生データ)を3次元で可視化してくれるソフト」
なんですよ。
以前は、Windows なら VolumeOne, Mac だと HorliX が使いやすかったというのが主張なんだが、なんかえらくひねくれて解釈している人がいて苦労した。

最近になって PHORLIX 開発陣が Volumy や PHORLIX Lite というソフトを公開してくれた。

Volumy で使われているデータ形式のファイルは .nrrd で、実はこれは単なるテキストファイル。
ここに width, height, depth とデータ表現(uint16)を所定の様式で書けば自前の raw ファイルが3次元的に可視化してくれる。

これをキャプチャすれば、レポートや論文などに使える。

これだけのことなんだが、Mac でこの機能を提供してくれるソフトがなかったってのが問題だったという事情なんだが、なんでこんな簡単なことが理解できないんだろう?

また、ついでに言っておけば、Volumy は Metal を採用したそうなので、しばらくは使える。
Miele さんのやつは 3D 部はかなり手を入れているが、いまだに OpenGL だ。
アップルはサポートはしてくれそうだが、deprecated になっている技術をあてにするわけにはいかんでしょう。

時代に合わせて着実にメンテしてくれて、使えるソフトを提供してくれる人たち取り上げたってだけの話なんだが、何が悪いんだろう?


AkibaChanReiwa


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