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これまでにも「開いたイルカ」こと OpenDolphin プロジェクトのことは話題にしてきたが、ころころと状況が変わるといった背景があり、修正や追記のオンパレードでかなり読みにくい記事になっていたと思う。
2025 年になって、もう目新しい情報もそれほどは出てこないと思うので、この時点での知見をある程度まとめておこう。
ソースコードを一時的に公開したプロジェクトにすぎなかった
よく「オープンソースの」と形容されていたのだが、現在では(少なくとも商用開発元は)オープンソースをやめてしまっている。
オープンソースであった期間は 2004 - 2018 と十数年にわたるわけだから、長いといえば長い。が、前身の(ソースは公開されていなかった)e-Dolphin 時代に基本設計は完了していたことを考慮するとこれが純然たるオープンソースのプロジェクトで、丁々発止が行われていたか?と言われるとちょっと違うと思う。
ドルフィンの「オープンソース」は、おそらくは経産省の「オープンソース電子カルテ」の予算を獲得するために「一時的にソースを公開していた」プロジェクトと捉えた方が適切だろう。
つまり・・・
e-Dolphin スタッフ「地域医療ネット向けの電カルクライアントつくったで。でも誰も使ってくれへん」
経産省「オープンソースの電カルつくったら、予算つけるで」
e-Dolphin スタッフ「よっしゃ、開業医さん向けにシステムをコンバートや」
経産省「ほな予算な」
e-Dolphin スタッフ「ソースコードは著作権付きで業者さんたちに売るわ。デジタルグローブさんは GPL、グッディさんは MIT ライセンスか。統一されとらんけど、まあええわ。(ソースはどうせ誰も読めないだろうけど)経産省のてまえ、ソースは公開して、オープンソースプロジェクトの体にしたったや。約束やで」
業者「了解!」
みたいなことだったんだろう。
ひでえ。
演じきれない役者たち
海外で流行っているからくらいのノリで「オープンソース」になってしまったものだから、あちこちで無理が生じる。
その最たるものは「人」だったのではないかと思う。
いや、そんなに簡単にリーナス・トーバルズ氏みたいな人は出てこんよ。
人前に出て来れない、自分で書いたと称するコードを他の人のものと混同する、そもそもドキュメントが書けない・・・。
ひどいもんだ。
せめてもうちょっと体面を取り繕うことはできなかったんか?
これらの人々の多くは、メドレーの「オープンソースはやめます。これまで開発者と喧伝されてきた人たちも、実は関与はほとんどありませんでした」宣言にともない、退場を余儀なくされた。
思いつくまま上げると・・・。
皆川和史・・デジタルグローブ(DG)→LSCと組織は変わっても名目上はメンテナ的な立場にいた。コード上には今でも author として痕跡が残っている。が、goody 版の同一箇所は署名がなく、本当に彼がコーディングしたのかという疑問の声はDG時代から上がっていた。
2016 頃には LSC でも担当役員をおろされ、役割がだんだんあやしくなる。メドレー譲渡の際には、開発者としての権利は一切保有していないことが明らかにされ、とどめを刺された格好だ。
ネット上でも SNS の各種アカウントは閉鎖。
まあ、完全に消えた形ですね。
増田茂・・ドルフィンの売り文句の一つ「現役開業医が開発に関与している」の「現役開業医」の象徴みたいな存在として一時的には注目が集まった。
が、商用プロダクツリポジトリへのコミットがほとんどないという指摘で、開発者としての力量が疑問視され始め、これまた、メドレーへの事業譲渡の際のあれこれで真相が明らかにされた格好だ。
X アカウントはまだ残っているが、もう自分が「増田内科の増田茂」だとは主張していない。
A 級戦犯? 小林慎治
ドルフィンが今ひとつ成果を出せなかった「戦犯」として小林慎治の名前を挙げる人が多いようだ。
理由は単純。
プロジェクトの決定事項には関与していないはずなのに、増田茂や松村哲理を開発者だと言い続けているし、いまだに訂正しないから。
また、これが原因で、有力な潜在的な開発者がプロジェクトのメンテナを断ったから。
増田茂が LSC やメドレーにソースコードを提供した実績はないと現在の開発元(メドレー)が言っているんだが?
基本的には部外者の小林慎治の主張はあくまで憶測にすぎないはずなので、なぜか断定口調。
開発元の言い分にも耳を貸さない。
この状態でメンテナお願いできませんか?と依頼があったとしても、断らざるを得ないでしょう。
そういう意味では「戦犯」かなあ。
(続く)

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